三月の兎

かつて三月の転校生と呼ばれていた日記

プロローグ

星野 「ねぇ」


一木 「はい」


星野 「屈辱?」


一木 「いえ。これが、有海の仕事ですから」


星野 「へぇ〜。『天てれ』のプリンセスも、テレビのお仕事がなくなれば、ただのピチモ。
    ううん、ただのピチモ以下ね」


一木 「・・・」


星野 「ふふふ。あたしね、聞いたのよ。なんで、あなたがピチモになれたのか」


一木 「えっ?」


星野 「ピチレって、いま苦しいんですって。部数が落ちて、広告も減って。そこへ、あなた
    が現れた。大手レプロ所属のね。ようするに、編集部は新垣結衣クラスの非オーデを
    優先的にピチレに回してもらうため、レプロに恩を売ったの。それだけ。だからなの
    よ。だから、あなたがピチモになれた。もちろん、あなたの実力じゃないし、まして
    や、編集部は、あなた個人をピチモとして欲しかったんじゃないの」


一木 「・・・」


星野 「だからね。人気・知名度ともに同世代ナンバーワン!といわれる川口春奈に対抗できる
    切り札として、編集部が次の新しい非オーデピチモにと密かに狙ってた、”ポストガッ
    キー”こと川島海荷が『ディアデイジー』に行っちゃった今、もうあなたには何の価値
    もないのよ。わかる?」


一木 「そ・・・そんな」


星野 「まあ、おバカさんの結莉とか、一部のピチモには、まだあなたは人気あるみたいだけど。
    そんなの、しょせん同情よね。違う?」






(間)






一木 「確かに、ホッシーさんの言う通りかも知れません。有海の事務所が力を持っていたから、
    有海はピチモになれた。でも、だからといって、うみーご(海荷の愛称)と有海とは無関
    係だし、それで有海の価値がなくなるとか、そういうことはないと思うの」


星野 「ばかばかしい。認めなさいよ。あなた自身になんて、なんの価値もないのよ!!」


一木 「いいえ、認めないわ」


星野 「ふふふ。認めさせてあげる。あなたなんて、なんの価値もないってことを」





―――そして数日後


※本編『あみーごの友達はネズミだけ』に続く
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