2004-08-07から1日間の記事一覧
間近で見る彼女は、あまりに美しかった。人間というよりも、テレビやグラビアの中にしか存在しない想像上の生物であるかのよう。彼女のそばだけ空間が違っていた。(p162)
物語のクライマックス、いよいよその真陽ちゃんの握手会に主人公が参加します。集合から整列、そして待ち時間、いよいよご対面、と順を追っての主人公の心理描写がなんとも生々しくって。もしかして、乙一先生はアイドルファン?、行ったことあるでしょ?。…
で、主人公が憧れるアイドルっていうのが「名字のない2文字の漢字からなる芸名」。「○○の握手会」として、最後まで明かされることはありませんが、作者の中にイメージがあったのは確か。「漢字2文字で、今を時めく中学生アイドル」っていったら・・・?。…
あるアイドルファンの青年が、その子の握手会に行くお話。そして握手した瞬間に事件が起こります。そう、すでに二人は、ずっと以前どこかで出会っていたのです。
乙一の短編集『失はれる物語』に収録。2003年12月発売。もう、アイドルファン必読のミステリーです。